ダイスの言うとおり

ダイスにはロマンがあるよな

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妖精たちの空中庭園 第4話

 フェアリーガーデンソロプレイ第四回。
 フェアリーガーデンの特徴なのだけれども、迷ったり飛ばされたりでなかなか目的地につかないことが多く、結果、一回のミッションが長くなる傾向がある。

 まぁ、今のミッションが絶賛長引き中というわけで。


「ここ、どこ…」

「さぁ…」


 足元は氷で真っ白。空は晴れているけれども、一面氷で真っ白。風すらも凍り付いてキラキラ。
 とても綺麗な光景だとは思うけれども、いい加減歯の根が合わない。UDTの口数が少ないと思ったら、口元の氷を煩わしげに払っていた。黙っていると口が凍りつくみたい。ここはなんだろう。妖精郷ってなんだろう。辺りがキラキラ。風もキラキラ。おそらがキラキラ。さむい。


「お嬢、寝たら死にますよ!」

「… もしまたここにくることがあったら防寒具買おうねっていうかもう二度と来たくない」


 とりあえず南を目指して、私たちは氷原をざく、ざく、と踏みしめながら歩いていった。

 とうに足も顔も手指も感覚が無くなり、もうグラップラーを廃業して厚着できそうなファイターへの転向を本気で考えはじめたころ、唐突に「止まれ」 と声がかかった。
 空中を滑るように飛んでくるのは氷の妖精フラウ。


「なんです、あれは」


 モーゴスが槍を構えようとするのを、私は押しとどめた。フラウに敵意はなさそうだし、あったとしたら、どうせ私たちのかなう相手じゃないからとっとと逃げたほうが早い。UDTはとっさに銃を構えようとしたら、冷え切った銃杷に手が張り付いてしまったようで、悪戦苦闘している。


「疾く立ち去れ。ここはミーミルの領域。この先にはミーミルの玉座がある」


 ミーミルが住まう氷原だったのね。道理で寒いわけ。
 ミーミルは氷の妖精の親玉みたいなもので、妖精王ともいわれている。敵に回したら片手どころか、小指の爪の先だけで私たちをぺしゃんこにできるだろう。
 というようなことをモーゴスとUDTに説明して、早く立ち去ろうと言ったら、モーゴスが呟いた。


「そんなにすごい妖精だったら、妖精郷のことならなんでも分かるかもしれませんよ。エマが今、どこにいるのかとか、それがダメなら鏡の池の場所とか」

「なるほどー」


 得心してフラウにそう言ってみると、フラウはちょっと考え込んだ。


「ふむ、ミーミルに会わせろ、か… では、私たちの頼みを引き受けてくれるなら、ミーミルのもとに案内しよう」

「頼みとはなんですか」

「それはいえない。引き受けるか否か。それだけ答えるがいい」


 フラウの高飛車な物言いに私たちは一瞬顔を見合わせたけど、まぁミーミルに遭えるならと、聞くだけ聞いてみることにした。


「では、ラナの店に赴き、これから言う料理を買ってきてくれ。一度しか言わないからしっかり記憶するのだ」

「…(ごくり)」

「えっとクルミと葡萄のパンとぉー、蜂蜜漬け梨のクリームケーキでしょ、あとは蜂蜜リンゴのパイかなー。あ、パンとケーキは二つずつね? 分かった? では疾く行け!」

「いや、とくいけ、って言われても…」

「ラナの店はこの北西エリアにある果樹園の中だ! さぁ行って買ってくるのだ!」


 言うだけ言うとフラウはものすごい勢いで飛んでいった。
 私たちは氷原にぽつんと立ち尽くしていた。


「で、どうやってこの氷原を抜けたらいいんです?」

「さぁ…」



凍結海に移動。イベントが起きず、自動イベント「果て無き氷原」 で1tbただひたすら無為に氷原を彷徨う。
昼tbでフラウに遭遇。クエスト「フラウのお使い」を受注。
「のどかな果樹園」を北西エリアに配置。
自動イベント「果て無き氷原」 で同じエリア内の任意のパラグラフへ移動となったので、これ幸いと果樹園へ移動。



 果樹園はのどかなところだと聞いていたけど、着いたころにはとっぷりと日が暮れていた。
 それにしても、寒くないというのがこんなにステキなことだなんて。


「でも、ラナの店ってまだ開いてるのかな。ここにあるのは…」

「しっ、黙って!」


 突然モーゴスが私の口を塞いだ。というかはたいた。


「おぶ!」

「あ、すいません、暗くてよく見えなかった。なんだか大きなものを引っ張ってる連中が見えたので、気付かれないようにと思って」

『そんだけ騒げば気付いとるわ! 見られた以上生かしては返さん!』「と、言っています」


 暗闇の中からダミ声が響いた。UDTが同時翻訳する。これは汎用蛮族語。霧の街で育った私には馴染みが深い。
 そして果樹園の木々の中から、武器を構えて二体の蛮族が飛び出してきた。夜闇なので、動きがよく分からない。明かりをつけなきゃ。


「レッドキャップです。ハイネ、モーゴス、気をつけて」


 ルーンフォークであるUDTには暗闇は関係ない。優雅にトラドールを構えてレッドキャップに狙いをつける。たぶんだけど。


「お嬢、ちょっと待ってください。今すぐ見えるようにしてあげますから」


 とりあえずレッドキャップと思しき影に向かって闇雲に構えた私に、モーゴスが言った。続いて短い祈りの文句。次の瞬間、目を覆っていた手をどけたかのように、視界が開けた。


「???」

「シーンのお力を借りました。しばらくの間、暗闇は苦にならないはずです。さぁ仕事ですよ、お嬢」


 そういえば、シーンは月の神。神官は闇を見通す奇跡を授けられると聞いたことがある。ような気がする。たぶん。どうだったかな。
 難しいことを考えるのはやめにして、私はレッドキャップへ向けて走った。見ると、レッドキャップはてんで私たちが見えていない。暗闇で目が見えないのは人族も蛮族も同じみたい。

 無茶苦茶に振り回された武器をかいくぐって懐に入る。左のリードパンチ。レッドキャップの足が止まる。続けざまに放った右パンチが吸い込まれるようにレッドキャップのこめかみに当たった。膝をふらつかせるレッドキャップ。


「ふっ!」


腰を右に切る。左拳がバネのように解き放たれ、斜め下からレッドキャップのアゴを捉える。そのままほとんど何の抵抗も無く拳が振り切られると同時にレッドキャップが腰から崩れ落ちた。そのまま大の字になって痙攣する。


「ワンツーからのスマッシュ気味のアッパー… ですかね」

「どちらかというと、ボディを狙ったら相手が屈んでいたので、アゴを打ち抜いた形になったという感じでしょうか。ともあれ、セスタスをつけた拳であれだけスカッと爽快に殴られたら終わりだと思います」

「あわわ、南無三でキャップ」

「いやあの、あなたたち何やってるの」


 モーゴスもUDTも観戦モードに入っているので、残るレッドキャップも私が沈めた。テンカウントとともに事切れたレッドキャップが★をふたつ落とす。


「ちょっと… こちらだけ見えるっていうのは、一方的すぎてずるいような…」

「何言ってるんですか。霧の街出身の人の言葉とも思えませんね」

「ちょっとすいません。あれを見てください」


 私とモーゴスが言い合っていると、珍しくUDTが割り込んできた。彼女が指した荷車には、果物が満載になっている。


「果物を盗もうとしていたのかな…」

「蛮族も果物とか好きなんですかね」


 とりあえず、ラナの店というのがあるはずなので、そこに持っていくことにした。
 もう日も暮れているし、お腹も空いた。ラナの店で食べ物が買えるなら、食事もできるかもしれない。
 そんなことを思いながら歩いていると、果樹園を抜けたところに小屋が見えた。明かりがついている。


「あそこ、かな…」

「”蜂蜜姫” ラナの店、と看板が出ていますね」

「は、はちみつひめ…」

「それよりインパクトのあるふたつ名は、そうそう思いつきませんね」


 私たちは好き勝手言いながらラナの店の戸を叩いた。



 果物を盗んでいる蛮族を倒し、 ★★獲得。果物70G分を拾得。
 赤い髪(10G)×2、武器(30G)×1


 本気で効率的な描き方を考えないと、このペースではやばい。
 ミストのときもそう言い続けて50回以上更新したが、フェアリーガーデンは今のところ、ミストキャッスルほど切迫したドラマ感が無いため、なんとなくふわふわした日々が流れていく感じ。突然氷原に放り出されたりはするけれども。

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白銀

Author:白銀
TRPGと付き合ってはや十数年。
まさか結婚相手までTRPG者とは、TRPGで遊び始めた頃の白銀少年は知る由も無かった。

ルールブックの範疇で好き勝手に遊ぶので、ご一緒の際はよろしくどうぞ。

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