ダイスの言うとおり

ダイスにはロマンがあるよな

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霧の街 第45話

 いよいよジャバディーンと剣を交えるにあたって、とりあえずBGMをボス戦にセット(The Arrow Of Destiny あたり)
 ロームパペットを連れて行ったのは、ジャバディーンの攻撃が最低でも一回はロームパペットへ行けばアッシュがフリーに動ける手番ができるため。
 ジャバディーン配下の蛮族を倒すためにはどうしてもアッシュの手番が一度か二度は必要になり、その間にジャバディーンから受けたダメージを回復させるという過程が必要になると思われる。
 その手番が作りだせるかどうかがこの戦いの焦点。

 今回は戦闘の状況を詳細に記述するため、SSパートとGMパートを並列表記。
SSっぽいモノローグ⇒
ゲーム記録⇒



「やらせはせん! やらせはせんぞー!」

 ジャバディーンの急所を狙ったあたしの刃の前に、ジャバディーン配下のリザードマンマリーナが飛び込んできた。
 ジャバディーン本人は固まってるのに、いい部下連れてる。こいつを残しておいたらまずい。
 リザードマンマリーナがあたしに刃を向けたので、「あたしを守れ」 と命令されていたロームパペットがあたしの横に並んだ。
 一気に4人が戦域を作り上げる。
 あたしは割り込んできたリザードマンマリーナに標的を変えた。

「魔力撃二刀流!」

 あたしの魔力撃を連続で受けてリザードマンマリーナが大きくたたらを踏む。

「くそ、このタイミングで剣を振るとは、やる! だがこれを耐えれば!」

 踏ん張って耐え切ったリザードマンマリーナが反撃の態勢を整えようとした。
 けれども、あたしはもう一撃の態勢をすでに整えていた。

「こっちが本命!」

「ばかな!」

 マリーナは必死で一発目は受け流した。けれども二撃目までは避けられず、血飛沫をあげて倒れこんだ。

「くそっ、何がどうなって…」

 同時にあたしの横でロームパペットが砕け散る。
 ようやく我を取り戻したジャバディーンがパペットを始末したようだった。

「これで一対一ね」

「貴様、どこの刺客だ!」

第1ラウンド
アッシュ(42/36)
ロームパペット(34/-)

”黒焦げにする” ジャバディーン(89/53)
リザードマンマリーナ(54/20)

 先制判定の達成値が13だったため、虎の子の運命変転をここで使用して先制を強引に取る。
 なんで疾風の腕輪を付けてこなかったんだくそう。
 とりあえず先手を取ったことで、アッシュファイナルアタックのファストアクションが発動。
 ターゲットキャッツガゼル(全部魔晶石使用) 魔力撃2発をマリーナに命中させ、一発目が2回まわって33点。二発目が23点。
 ファストアクションで二回目の魔力撃2発。一発目を1ゾロで外すが、二発目が命中して25点。マリーナ撃沈。

 ロームパペットはマリーナへの攻撃をキャンセル。

 ジャバディーンは石化の視線とマルチアクションの攻撃&ブラストをロームパペットへ。
 ロームパペットは総計で37点食らって一瞬で撃沈。

 狙い通りジャバディーンにロームパペットを狙わせ(ジャバディーンの行動は巻末の魔物の行動決定表で決定)、その間にマリーナを排除ということで、まずはアッシュの狙い通りのラウンド。
 欲を言えばロームパペットにはもう1ラウンドくらい粘ってほしかったところではある。

「はぁっ!」

 あたしの口から自然と気合の声が漏れる。
 十文字を描く魔力撃の軌跡はジャバディーンの右足を縦横に切り裂いた。

「ぐぬ、貴様、なぜこのジャバディーンの右足を狙う!」

「腹いせかな」

「そうじゃなくて、なぜ知ってるかの方」

「それは秘密で、ひぅっ!」

 振り回す剣から飛んだジャバディーンの血が、あたしの手に飛び散った瞬間、手に恐ろしい激痛が走った。
 そうだ、こいつらはバジリスク。毒の魔物。その血液までもが猛毒そのもの。

「つつつ… もうまさに害毒って感じ」

「ずいぶんだな人間!」

 ジャバディーンは手近な椅子を手に取ると、それで猛然とあたしを殴りつけた。あたしの肩口に炸裂した椅子は、そのままテラスの手すりに当たってバラバラになる。階下に椅子と砕けたテラスの一部が降り注いで蛮族たちはやんやの喝采をあげた。
 まるでジャバディーンが負けるとは思ってないらしい。

「っつぅ… あーあ、えらいことに…」

「余所見していていいのか人間!」

 椅子と同時に突き出されたジャバディーンの左手。そこに目には見えないマナの塊が現れ、そして弾けた。
 強烈な衝撃が襲い掛かってくるのを踏ん張ってこらえる。
 真語魔法のブラスト。さっきロームパペットを打ち砕いたのもこの呪文だった。けど、予測していたあたしはブラストの衝撃を受け流すことができた。

「まぁ、わりと余所見もありかなって」

 あたしの挑発にジャバディーンの歯ぎしりが聞こえた。同時に色眼鏡の向こうでジャバディーンの目が光った気がした。
 きた―― バジリスクの打撃能力も魔法能力も、そして毒の血液も、そんなことは余技にすぎない。バジリスクがもっとも恐れられている能力。それはこの石化の視線だ。
 咄嗟に剣を顔の前で交差させる。動作に意味はないけれども、あの化け物じみた目を見ずに、精神を集中して石化の視線をこらえる役には立った。

「貴様…」

 ジャバディーンの口惜しげなうめきが耳に届く。

第2ラウンド
アッシュ(42/36)
ロームパペット(×)

”黒焦げにする” ジャバディーン(89/47)
リザードマンマリーナ(×)

 ジャバディーンへターゲット(魔晶石使用) 魔力撃2発を命中させてで25点と23点。血液の毒には抵抗成功。
 ジャバディーンのマルチアクション攻撃を食らって15点。ブラストは抵抗して8点。石化の視線には抵抗成功。

「まだ変身しなくていいの、ジャバディーン? ほらほら、死んじゃうかもよ!」

 あたしの魔力撃が再びジャバディーンを十文字に切り裂いた。
 返り血があたしの顔といわず体と言わず降りかかり、肌を灼くのも構わない。いつになくサディスティックな気分で、剣だけではなく、言葉でもジャバディーンを攻め立てる。
 ジャバディーンはあたしにとって、普通の魔物とは違う存在なのは間違いない。
 あたしがこの街で生きていくための炎を心に灯した瞬間があったとしたら、それは間違いなく灼熱の踊り子亭から逃げ帰ったあのときだから。

「人間め… 人間の分際で…」

「早く変身しないと、その人間ごときに殺されちゃうよ。きっともうすぐだね。もう一度さよならって言おうか?」

 あたしの挑発にジャバディーンは今にも血管を切らんばかりだった。

「人間ごときに… 人間ごときに負けるか! そんなに見たいなら見せてやる!」

 次の瞬間、ジャバディーンの体が膨れ上がった。手近なテーブルも椅子も跳ね飛ばし、テラスの手すりもふっ飛ばして、巨大な8本足のトカゲの姿に変化する。
 これがバジリスクの本性だ。

「オレハじゃばでぃーんダ! 黒焦ゲニスルじゃばでぃーんダ!
 人間ナンゾニ、人間ナンゾニ負ケテタマルカ! 人間ゴトキガオレニ勝ッテハナラナインダーッ!!」

 暴力的なまでのプレッシャーがトカゲから吹き付けてくる。
 だけど、あたしはかえって物悲しかった。
 あたしの中のジャバディーンは、世の中全てを見下しているような伊達男で、虫でも潰すかのような気軽さで人間を焼き殺していた。それを見て楽しむ蛮族たちをも、ジャバディーンにとっては見下す対象だったに違いない。そう思わせるような気位の高さがあった。
 そのジャバディーンが今、あたしに追い詰められて、恥とされる本性を現してまであたしに挑みかかってきている。その必死な姿に、冷酷で気位の高い伊達男の面影はもう、ない。

「勝手なものね、あたしも… 殺しにきておいて感傷を覚えるなんてさ」

 巨大なトカゲは店全体が震えるほどの咆哮をあげた。

「脳味噌ズル出シテヤルッ! 背骨バキ折ッテヤルッ! たまきんブチ潰シテヤルッ!!」

「さ、最後のはあたしには無いもん!」

「コノ姿ダト知能:低ダカラ」

「エンヤ婆の台詞パクってるだけじゃん!」

第3ラウンド
アッシュ(23/36)

”黒焦げにする” ジャバディーン(53/41)

 ジャバディーンへターゲット(魔晶石使用) 魔力撃2発を命中させて22点と21点。血液の毒に抵抗失敗して6点ダメージを受ける。
 ジャバディーンは残HPが28点になったため、次ラウンドで魔力撃2発を食らうとほぼ確実に死ぬ。なので、ここで魔獣化。BGMをAstranagan あたりに変更。

 変身させたことで、ジャバディーンを追い詰めているとはいえ、これでようやく本番開始ってところ。
 挑発してはいるけれども、あたしが勝つ可能性は実のところあまり高くは無い。右足がジャバディーンの弱点たって、何せ右側に足は4本もあるし、そもそも速攻をかけるなら足じゃなくて頭を狙わないといけない。
 最初にかけたエンハンスが時間切れになるので、あたしは再び魔晶石を使ってエンハンスを維持した。
 それと、今までに受けた毒とブラストのダメージを無視はできない。一瞬で殺される可能性もある。ジャバディーンの変身であたしには猶予があるけれども、ここは回復に充てたいところだった。

「お互いダメージをリセットってことで」

「ナニごちゃごちゃ言ッテンダァーッ!」

 8本足の大トカゲが牙と鉤爪で襲い掛かってくる。
 思ったよりも全然鋭い。かわしたつもりでも鎧と衣服が切り裂かれる。

「マダマダァーッ!」

 マルチアクションも健在だった。お得意のブラストがあたしに叩きつけられる。でも人間の姿のときより威力は数段劣る。

「石ニナリヤガレ!」

 ここまでの攻撃をやり過ごしたところであたしには油断があった。いける、と。これなら勝てる、と。
 でも続いて放たれた石化の視線の威力は、人間の姿の時を上回っていた。

「!」

 あたしの足が一部灰色に変じる。石になったんだ。

「まずい…」

 思わず声が漏れた。

第4ラウンド
アッシュ(17/36)

”黒焦げにする” ジャバディーン
邪眼(45/25)
頭部(63/48)
胴体(72/36)

 キャッツアイガゼルフットアースヒールで13点回復。全部魔晶石を使用。
 ジャバディーンのマルチアクション攻撃を全て回避。ブラストは抵抗して8点。
 しかし石化視線の抵抗に失敗して敏捷度が6点低下。

 これは要するに回避が1点下がったということであり、魔力撃での低下分をガゼルフットで補っていたアッシュとしては、非常に痛い事態。
 バジリスクはこれがあるからなぁ。
 あと、ウルスラの情報は実は「ジャバディーンには弱点がある」 というだけで場所は指定されないため、右足右足と言ってはいるけれども、ジャバディーン全体の防御力が下がっている。変身して狙えなくなったとぼやいてはいるけれども、ゲーム的には防御力が下がっている状態を継続ということで。

 あたしの魔力撃がジャバディーンの頭部を深々と十文字に切り裂いた。降りかかる血飛沫の威力(?) も変身前より高いけれども、気にしてはいられない。
 階下に降り注ぐジャバディーンの血で店内は阿鼻叫喚の状態だけれども、知ったことじゃない。

「グゥォアアー!」

 全然効いてないって顔(トカゲの顔はよく分からないけど) でジャバディーンが襲い掛かってくる。
 巨大な口で噛み付いてくるのをバックステップでかわす。ばくん、と音を立てて閉じた口から覗く牙が恐ろしい。
 続いて振るわれる鉤爪をさらにバックステップで―― どん、と背中に何かが当たった。そこを横殴りに振るわれた鉤爪で捉えられ、あたしは吹っ飛ばされる。
 柱だ。背中に当たったのは柱。あたしは柱のあるところへ追い込まれてたんだ。知能は低いくせに、狩りの本能とでも言うべきか。
 続くブラストと石化の視線は気合でこらえる。こらえたはいいけれども、あたしはもう満身創痍だった。
 やっぱりダメなのかな。ジャバディーンには勝てないんだろうか。石に変じた足が重い。力が抜けそうになる。

「ガアァァァーッ!」

 ジャバディーンはもう言葉もまともにしゃべらない。

「こんなものが、あたしの求めていたものなんだろうか…」

 あたしは剣をつっかい棒にして立ち上がった。
 戦いは、まだ、終わらない。

第5ラウンド
アッシュ(30/36)

”黒焦げにする” ジャバディーン
邪眼(45/25)
頭部(63/42)
胴体(72/36)

 ターゲット(魔晶石使用) 魔力撃2発を頭部に当てて、クリティカル31点と22点。毒には抵抗した。
 ジャバディーンのマルチアクション鉤爪を食らって15点。ブラスト抵抗して8点。石化視線には抵抗。

 この時点でアッシュのHPは残り11点。攻撃を一発食らったら終わるし、ブラストの抵抗にしくじっても終わる。毒で大ダメージが出ても終わるという、ほぼ詰み状態。
 アースヒールの回復期待値を考えると、アースヒール2回がブラストを3発を抵抗したときくらいなので、ここでアースヒールを使うのはかなり分の悪い賭けになる。
 一方のジャバディーンはコア部位である頭部の残りHPが30点。こちらも大ピンチ。アッシュの魔力撃2発で落とせる可能性は高い。
 乾坤一擲の大勝負。攻撃を外したらアッシュのほぼ負け。当てればほぼ勝ち。

「ウガオアーッ!!」

 荒れ狂うジャバディーンが割れた額から毒の血を噴出しながら突進してくる。
 あたしは動かない足を引きずりながら剣を構えた。
 深呼吸する。
 周りのことが視界から消えていく。
 もうジャバディーンしか見えない。

「ジャバディーン…」

 右の剣を水平に。
 左の剣を相手の喉元に。

「あなたの死が求められていたわけじゃないけど」

 剣に魔力を通す。

「あたしが。あたしが前に進むのに、あなたを乗り越えないといけない」

 ジャバディーンの動きが激しくて、狙いをつけるのは難しい。

「あたしの勝手な理由で、あなたを」

 青白い軌跡がジャバディーンの額に×の字を刻み付けた。
 同時にジャバディーンの突進であたしは跳ね飛ばされる。
 激しい衝突音が店内に響き渡った。

 あたしは受身を取ってうまく着地した。石になった足も、全部が石になったわけじゃない。まだそれなりの動きはできそうだった。
 衝突音はジャバディーンが壁に突っ込んだ音だった。

第6ラウンド
アッシュ(11/36)

”黒焦げにする” ジャバディーン
邪眼(45/25)
頭部(30/42)
胴体(72/36)

 ターゲット(魔晶石使用) 魔力撃2発が頭部にヒット。23点とクリティカル31点で14点のオーバーキル。
 最後っ屁の毒には無事抵抗。
 なんとかジャバディーンを討伐した。ギリギリの戦いだった。

 ジャバディーンはもう動かない。
 あたしが傍にいったときには、事切れていた。

 わけもなく、涙が溢れた。
 こらえようとしても、嗚咽が漏れるのを止められなかった。

「ごめん…」

 あたしは何に謝ってたんだろう。

「ごめんなさい」

 もう店内には誰も居ない。
 あたしとジャバディーンだけが残っていて、そしてもうジャバディーンは動かない。



 なんとかジャバディーン討伐成功。
 非常にサイコロ振るたびに胃が痛む戦いであった。

 経過を見れば分かるけれども、全体的にジャバディーンのダメージが奮っていない。
 まぁ奮ったらアッシュ死んでいたわけで、やっぱり剣の欠片が入ったバジリスクは強い。
 また、もうひとつの勝因はブラストを抵抗し続けたこと。
 毒に対しては生命力の高いアッシュはある程度抵抗することを見込んでいたけれども、ブラストを抵抗し続けたのは僥倖だった。

 ともあれ、序盤の固定ミッションイベントのボガード戦並みに危ない戦いであったことよ。


< 第45話 結果 >


・★★を獲得
・石化により敏捷度が6低下




(A-1) (露店市) (血染壁) (ダルクレム) ( サカロス ) (F-1)
(A-2) (闘技場) (娼婦街) (三色幕) (鮮血城) ( 廃屋 )
(涸井戸) (裸王様) ( キルヒア ) ( 牧場 ) (追剥路) (常夜廊)
( 港 ) (どぶ川) (麻薬窟) (翡翠搭) (帰らず) (叫び門)
( シェス湖) (施療院) (ヤム酒場) (路地裏) (袋長屋) (処刑場)
( シェス湖) (泉広場) (灼熱踊) (荒庭園) (黒の丘) (F-6)
( シェス湖) ( 牢獄 ) ( ブラグ) (明灯館) (奴隷市) (F-7)


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コメント

コメントお久し振りです!(お辞儀。)

おめでとう、おめでとう、アッシュ …!
こんなにハラハラしながら、記事よんだのは、初めてですね…!

おめでとうございました…!

戦ってる最中「こりゃーだめだ」 と何回思ったことやら…
こんなにハラハラしながらサイコロ振ってたのは、本当に序盤のあのボガード戦以来でした。

いよいよ終盤。
ここまでくると、最後まで生き延びたいw

本当にデッドラインギリギリの戦いだったんですね…かなり緊張してしまいました。
しかし、白銀の狼さんが書くジャバディーンは最高の敵だったと思います。
本当に感動しました。白銀の狼さんもアッシュもお疲れ様です。

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白銀

Author:白銀
TRPGと付き合ってはや十数年。
まさか結婚相手までTRPG者とは、TRPGで遊び始めた頃の白銀少年は知る由も無かった。

ルールブックの範疇で好き勝手に遊ぶので、ご一緒の際はよろしくどうぞ。

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