ダイスの言うとおり

ダイスにはロマンがあるよな

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霧の街 第37話

 戦利品と闘技場での報酬を全部叩き売ったらお金が足りそうなので、買い物をするためにザバールの天幕へ。
 ついでにザバールのクエストを消化できるものはやっておく。
 帰らずの街と黒の丘に討伐対象がいるので、北から帰らずの街周りで行くが、このときついでに追い剥ぎ小路へ寄ってトホテルのクエストもこなせるものはこなす。
 なんだか便利屋になってきた。
SSっぽいモノローグ⇒
ゲーム記録⇒



 ザバールの天幕に足を運ぶと、いつものようにルーンフォークコンビのダリオとディエゴが出迎えてくれた。

「こんにちはアッシュさま」
「本日はどのようなご用件でございましょう」

「あ、その、買い物に来ただけ、なんだけど…」

「ではこちらの天幕でごゆっくりどうぞ」
「お買い上げの際は、声をおかけください」

 ダリディゴを尻目に、あたしは剣がたくさん飾られている一角へまっすぐ向かった。
 以前、剣を購入したときに、別に目星をつけていた二本一組の剣。当時はその剣を使いこなすだけの技量があたしになかった。
 でも今なら。

「それに目をお付けですか。しかし…」
「その剣は雌雄で一対。片割れのみで振るわれますと、互いに呼び合って持ち主に不幸を呼ぶという逸話があります」
「人呼んでソーズオブメオトマンザ」「なんでやねん」

 ダリディゴがなにやらコントをしているのをよそに、あたしはその剣を両手に握ってみた。
 重さはちょうどいい。手にも馴染む感じがする。軽く素振りをしてみて、あたしはダリディゴを振り返った。

「そこで私は言ったんですよ。お前の尻に帆刺して逃げろと」
「帆かけて、やろが。刺してどないすんねん。プレイか。プレイなんか」

「… 何、やってるの?」

 二人で並んで立ってよく分からないことを言いつつ手の甲で相手をぺしぺし叩いてるダリオとディエゴが、はじめてあたしがそこにいることに気付いたかのようにこちらを向いた。

「ダリオでございます」「ディエゴでございます」

「いや、知ってるけど…」

「新ネタを披露しておりました」「ご感想をお願いいたします」

「人恋しいんだね」

「何せ皆さん自分のパラグラフから出てきませんもので」「たまに来られるアッシュさましか聞いていただく相手が」

 その後二人の漫才に20分付き合ってからザバールの天幕を後にする。

「あたしも人がいいっていうか…」

 腰に提げた二振りの剣の重みが頼もしい。今まで使っていた剣はザバール商会に買い取ってもらった。
 買ってまださほど経っていなかったけれども、もう芯にダメージが入ってるとダリオが呆れていたのが印象に残ってる。

「まぁほとんど毎日斬り合いだのなんだのやってるものね…」

 今度の剣は長い付き合いになるだろうか。



 ザバールの天幕から、その日のうちにあたしは追い剥ぎ小路にやってきた。
 顔見知りの風の旅団員に声をかけてル=ロウド神殿へ足を運ぶ。

「やあ、アッシュ。今日は飲んでないようだね」

 前回ここを訪れたときは、あたしはドライアードたちと飲み比べをした直後だった。天下御免の酔っ払いだったことをきっちり覚えられてしまったみたい。

「こんにちはトホテルさん。近くまで寄ったものだから」

「ちょうどよかった。アッシュに頼みたいことがあったんだよ」

 トホテルさんはそう言うと、ごそごそと羊皮紙を引っ張り出した。
 水を持ってきたセイラがその横に控える。

「いいかい、この魔動機文明時代の資料によると、この街には守りの剣があった。
 その後この街は蛮族に占拠されてしまうわけだけれども、守りの剣が破壊されたという記録はない。
 もちろん儀式を継続しないと守りの剣は力を失ってしまうけれども、もしかしたらどこかに全盛期の力はないにしろ、守りの剣が残っている可能性はある」

「あぁ、守りの剣。クレア・クレアのところにあるって言ってったけ」

「知っているのか!?」

 セイラがギシリと歯軋りをするのが聞こえた。なんだろう、ものすごく怖い。
 眼鏡の反射で目が見えないけれども、あたし睨まれてる?

「えぇと、街の南にある庭園に、魔動機文明時代から隠れ住んでるエルフがいるんですけど…」

 あたしはクレア・クレアと彼女が持っている守りの剣についてトホテルさんに説明した。
 話を聞いたトホテルさんは大興奮状態になった。

「なんとまぁ、そんなところに守りの剣が! しかも儀式を行える人材と一緒に! すごいな、これはすごいぞ!」

 反対にセイラは冷ややかな視線をあたしに送ってくる。なんだっていうんだろう。

「あの、なに、セイラ?」

「いえ、なんでも。運が良かったですね。そんな情報を手に入れられたなんて」

「は、はぁ…」

 ウンディーネたちに囲まれて覚悟完了するような体験はそうそうしたくないものだけれども。

「そ、それでトホテルさん、あたしに頼みたいことっていうのは…」

「あぁ、いや、解決した。守りの剣を探してくれって頼むつもりだったんだけど、剣の在り処が分かって、守護者がいることまで分かれば充分だ」

 そういうとトホテルさんは皮袋を持ってきた。

「助かったよアッシュ。これは情報料だと思ってくれ」

「え、こんなにもらえない…」

「気にするな。それだけ大きい情報だということだよ。我らが長い間調べ続けて手に入れられなかった情報だ。なぁセイラ」

 目を伏せていたセイラは、またギシリと歯軋りの音を立ててゆっくりと顔を上げた。
 目が細まり、口の両端が上がって、ゆっくりと白い歯を見せて笑顔に変形する。怖い。

「えぇ、助かります、アッシュ。今後もよろしく」

 さすがにセイラが差し出した手を取る勇気はあたしにはなかった。



 帰らずの街。
 ここに来るのもミレーヌを探していた頃以来かもしれない。
 あのときは、アリアドネに会わせてもらうために来たんだっけ……
 そして今はウルスラの依頼でやってきた。
 変われば変わるものだと思わずしみじみしてしまう。

「さて、と…」

 ウルスラの話によれば、ここに出没するブラッドサッカーが浮民を襲って被害を出しているらしい。

「こんなところ通らなければいいと思うんだけれども、まぁそれはそれとして」

 ブラッドサッカーは太陽の光に弱い。それこそ放っておけばどんどん焼けて勝手に死ぬくらい弱い。
 だから夜にしか行動しない。

「てなわけで、あなたブラッドサッカーじゃないでしょ?」

「ルールがそうなってんだよ! ブラッドサッカーでも昼に現地に来られれば、出て来ざるを得ないんだよ!」

 シュウシュウと全身から煙を立ち上らせながらブラッドサッカーが激しく抗議した。
 霧の街とはいえ、日中はやはりきついらしい。

「じゃあ、まぁ、やっつけるしかないわけだけど…」

「あったけぇ血ィィィィィィ ヴェロヴェロなめたぁぁぁぁぁいッ」

 ブラッドサッカーは視線でこちらの動きを縛るイヤな能力を持っている。もっとも、太陽の下ではその威力も目を覆わんばかり。
 あたしは雌雄一対の剣を両手に構えた。

「二刀流でこれができれば…」

 二振りの剣に同時に魔力を通す。魔力撃を同時に二発。これができればあたしの攻撃力は倍になったことになる。

「ワシャアァァァーッ」

 ブラッドサッカーが振り下ろしてくる爪。その下をかいくぐる。

「はいやっ」

 左右の剣が閃く。けどタイミングがずれた。右の剣だけが当たって左はかわされる。
 とはいえ、魔力撃が一発当たったわけで、ブラッドサッカーは大きくたたらを踏んだ。

「なるほど… どちらか一発でも当たればOKって考えたら、これは有利…」

「何のんびりと分析してんだコラー!」

 続く攻防で、あたしの剣は左右からブラッドサッカーの胴体を両断した。

「オーノーだズラ…」

「二発当たれば当然威力は二倍と…」

 盾が持てないというリスクは確かにある。けれども、それ以上に攻撃力は魅力だった。

 霧の街を出る。
 その目的を達成するためには、どうしても幾多の戦いを乗り越える必要がありそうだった。
 そしてその戦いを乗り越えていけるかもしれないという手ごたえを、あたしは感じていた。



 ほぼ全財産をはたいてザバールの天幕でロングソード+1を2本購入。ついでに発動体仕様にする。
 フェンサーの身でカスタム化しないロングソードを振り回せるのは生まれ持った筋力も大きいけど、成長が筋力に偏っているのも大きい。

 トホテルに「守りの剣の探索」 の顛末を報告し、ウルスラから受けているランダムミッション「魔物の討伐」 の半分を終わらせる。
 新たに行く場所がなくなってきて、レベルが上がるといつものコースを一回りする、といった風情になってきた。
 あとザバールにも抵抗組織の探索クエストの結果報告を行っている。
 寝るのはいつもの袋小路長屋。


< 第37話 結果 >


・ザバールクエスト「抵抗組織の探索」を完了
・旅団クエスト「守りの剣の探索」を完了
・★★★★を獲得
・魔物の討伐を半分達成



(A-1) (露店市) (血染壁) (ダルクレム) ( サカロス ) (F-1)
(A-2) (闘技場) (娼婦街) (三色幕) (鮮血城) ( 廃屋 )
(A-3) (裸王様) ( キルヒア ) ( 牧場 ) (追剥路) (F-3)
( 港 ) (どぶ川) (麻薬窟) (翡翠搭) (帰らず) (叫び門)
( シェス湖) (施療院) (ヤム酒場) (路地裏) (袋長屋) (処刑場)
( シェス湖) (泉広場) (灼熱踊) (荒庭園) (黒の丘) (F-6)
( シェス湖) ( 牢獄 ) ( ブラグ) (明灯館) (奴隷市) (F-7)


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コメント

くぅーー! 二刀流になったアッシュ格好いいっす!
やっぱり白銀の狼さんの戦闘描写は心躍ります。

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白銀

Author:白銀
TRPGと付き合ってはや十数年。
まさか結婚相手までTRPG者とは、TRPGで遊び始めた頃の白銀少年は知る由も無かった。

ルールブックの範疇で好き勝手に遊ぶので、ご一緒の際はよろしくどうぞ。

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