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ダイスの言うとおり

ダイスにはロマンがあるよな

xS読了

 今さらだけど、ソードワールドリプレイのxSシリーズを読了したので感想など。

 ネタばれを含みますよってに、一応畳んでおきますよ。
 正直、扱っているネタが昔なつかしの特撮ヒーローだったりして、序盤のうちは(内容の出来不出来はともかく) 商業誌として「今さらこんなネタでこれ大丈夫か」 感が強かった。
 同時展開していたWaltzシリーズがキャラプレイに重点を置き、いわゆる癒し路線(これも今のソードワールドユーザー層を考えると、ちょっとハズした感) なのに比べると、xSはキャラロールという点ではPL視点が強く出ており、PCも(性能ではなくキャラ性が) 変則タイプなキャラがパーティの中核を占めている。要するにイロモノシリーズ。
 ただ巻を追うごとにキャラの立ち位置が定まり、面白くなっていくのはやはりTRPGというゲームの性質だろう。結論としては楽しく読了。

 xSのSW展開的な立ち位置としてはVEコンバットの紹介、シナリオと実際のプレイの齟齬とそのフォローなどのマスタリングアドバイスなどを担っていたが、SW2.0が本格始動したため、途中からSW完全版のラストタイトルとしての看板も背負うこととなった。その意味で、GM:清松みゆきという人選はベストだったかもしれない。

 清松GMの常として、xSにはどこまでも「数字」 がついて回る。キャラメイクからしてSWサポートのステータス底上げの実例が示されているし、咄嗟のアドリブの際も選択肢の数と確率を考慮する過程が描かれている。
 だからといって数字至上主義というわけではなく、PCの選択に沿って思い切りその背中を蹴飛ばすなど悪ノリもあちらこちらでやらかしており、そのためならルールだって超越する。ウィンドのハイロードポイントによる器用+2などはその最たるもので、バランスもへったくれもあったものではないし、報酬をPCにゴネられて大剣をモールに変更してしまい、結局それが後に響くなどポカもやっている。
 要するにルールや数字は客観的な基準でしかなく、つまるところゲームを楽しく遊ぶためのツールなのだ、という清松スタイルが十全に示されている。
 もちろんこれはルールや数字をないがしろにしているというわけではなく、これらが明確な基準足りえるからこそ、咄嗟の悪ノリが面白い。基本がしっかりしているからこそ変化球が投げられる。そういうシリーズだった。
 これが、ルールは曖昧でその場その場で適用範囲が変わり、GM判断の基準は「なんとなく」 だと、PLが動けなくなってしまうところであり、やはり読んでいると「さすがだなぁ」 と唸ってしまった。
 PLが敢えて茨の道を選んだのならその決断を尊重する(その勇気に免じてうまくいったことにしよう! などと茨のトゲを抜いたりしない) とか、GMは手心を加えるのは当然だが、それが表に出てはならないとか、100%安全確実の道がある(ノーリスクでリターンがある) のは、やはりシナリオに穴があると謗られて当然とか、往年の清松節も健在で、清松スタイルが好きな人は大変楽しめる作品。清松はちょっと… という人もマスタリングの参考として手に入れて損はないかと思われる。

 ラストバトルの「戦術ではなく、戦力の質で差をつける(=GM側は全力で戦うが、戦力ではPC側が圧倒的)」 やり方は清松節の結晶。
 もともとRPGは戦闘をやると「同戦力ならGM対PCは9割以上GMが勝つ」(GMは捨て駒を作れるがPC側は1人も殺せないため) ゲーム。だからと言ってやたら強いGMサイドがアホな戦術を取ったりランダム行動したりすると、GMの手加減が透けて見えて非常に盛り下がる。なので、xSのラストバトルは「すごい戦力に見えるが実は大したこと無いGMサイドが全力でPCたちと戦う」 という構図。
 結果的にラスボスの、全力を尽くして崩れ落ちる漢の笑顔が全てをかっさらっていくというオチがついたが、これはこれでいいと納得できる特異な作品ともなった。
 また敵陣営の設定と「あくまでもPCは特別な存在」 という点を強調するために敵陣営のキャラのステータスはどれもこれも微妙過ぎる値(褒め言葉) になっており、この辺ひとつとっても、例えば藤澤GM(NEXT) などとは大きな隔たりを感じるところ。デザイナーの面目躍如といって過言ではない。

 同時期展開のWaltzと余りにも毛色が異なり、どちらかというとWaltzの方が一般受けする作品だったが、Waltzが結局は見てると首筋が痒くなるような青春ラブラブ展開以外にこれといってアピールポイントが無いのに比較すると、xSは尻上がりに密度を上げていった感がある。
 個人的にはナイスシリーズのひとつに挙げたい。

« SW2.0とっかかり|Top|20080416 »

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白銀

Author:白銀
TRPGと付き合ってはや十数年。
まさか結婚相手までTRPG者とは、TRPGで遊び始めた頃の白銀少年は知る由も無かった。

ルールブックの範疇で好き勝手に遊ぶので、ご一緒の際はよろしくどうぞ。

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