ダイスの言うとおり

ダイスにはロマンがあるよな

フリーセッション制とソードワールド その3

 三回目。
 どんどんSW関係なくなってきた。
 SWをフリーセッション制で遊ぶ上での注意点と手法とかそういう話だったはずなのに、話題はすでに「SW」 から「フリーセッション制で遊ぶ上の一般原則」 になっているんだぜ……(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)
 でも今回はなんとかSW。


 第三回。
 フリーセッション制とソードワールド - セッションをまたぐ影響を及ぼすもの -


 いつもどおり私見ですよ。  SWでは基本的にセッションごとにPCは経験点と報酬を受け取り、リスクを負ったリターンを得る。
 このため、PCは最終的に金銭と経験点を得るために依頼を請ける、という形でゲームが作られ、これが(PC的にではなく、ゲーム構造的に) 一般的となっている
 他のシステムではどうかというと、例えばGURPSでは「特徴どおりにキャラを演じる」 ことが目標になっており、ルルブに準拠するならシナリオの達成度には無関係にCPがもらえる。また天羅ではアツいバトルとドラマに全てが集約されており、そもそも報酬など度外視で話が始まる(超ヒーローが超バトルをするのが目的だし) ことも多い。クトゥルフでは生還すら目的ではなく、ホラーな空気を味わうのが主眼となる(生還しないし、生還してもそのうち発狂するから報酬などあっても意味が無い) し、パラノイアではPCどうしの騙し合いと出し抜きあい、ときに殺し合い、そして陥れ合いが醍醐味だ(なんせ1人のPCが5回も死ねる)

 リスクを負って報酬を受け取る、というスタイルが成立するには、PCは常に報酬に飢えている状態(≒ 貧乏 あるいは物欲が満たされていない状態) でなければならない。
 しかしSWでは金の使い道が少なく、普通にプレイしていると金が余り出すため、高レベルになったPCはリスクアンドリターンの構造にあてはまらなくなりがちで、GMが新たなゲーム構造を提供するか、もしくは引退するのが常となっている。一般にSWは3~4レベルが一番面白いと言われているのは初期の貧乏状態をようやく脱し、装備に金が回り始めてPCの力を最大限に発揮できるようになるというのもある(その後インフレを起こし、金が冒険の動機足りえなくなる)
 フリーセッション制でもこの類の欠点はなかなか克服できず、報酬が多ければあっという間にPCが裕福になってしまい、普通のリスクアンドリターン型の冒険者との間で冒険の動機に差が出てしまうため、GMの負担増大(というか同時に異なるスタイルのゲームを提供できない場合、もはや拷問) を招く。これは別に報酬が目当てのPCじゃありませんから、とかいう問題ではなく、ゲーム構造の問題。そういう意味では低ランクPCへGM報酬を与えるのも禁止した方がよさそうだ。
 そのため、遊戯会ではランクごとに報酬の限度額が定められているが、なかなかこれが受け入れられず、報酬を増やす努力をしたから色をつけてほしいとか、困難な任務だったからボーナスをあげるとか言ってしまうところを見かけることもある。
 前回触れたが、死亡から生き返るということは「あのGMは生き返らせてくれる」 という影響を残してしまう。
 高報酬も同じで、他のセッションより多くの経験点・報酬をもらってしまうと、他のPCより早く成長し、装備が整うという影響が後に残る。
 これはフリーセッション制という立場をとる場合は最悪最低の事態で、リスクアンドリターン型からの脱却が早まってしまい、他のGMの負担が増す。間接的に他のGMの邪魔をしているのと同じだ。もちろんPCから報酬に色をつけてくれというのも同じで、他のGMの負担を増しますという宣言に等しい。

 現状の遊戯会では例えばCランクは200~400の報酬で平均が300になるように、という緩やかな縛りがある。
 だがこれもたまたま高報酬を出したセッションに当たり続けたPCがいると、そのPCはすぐにリスクアンドリターンの構造から脱却してしまうという穴がある。
 また、自分くらい高報酬を出してもいいや、今回くらい高報酬でもいいや、というGMが1人いるだけで、この報酬制限システムは驚くほどあっさりと瓦解する。
 これを回避するには、どんな冒険だろうが一定の経験点・報酬にしてしまうことで、紆余曲折の末に伝説のフンドシを手に入れても300。フェアリー冒険者で最初から最後まで人の荷物に入って何もしていなくても300。延々とモンスターと闘技場で殺試合(ころしあい)をしても300。
 こうすれば純粋に冒険の回数だけが報酬額となり、不公平はなくなる。
 もちろん冒険の難易度が一切報酬に反映されないのは理不尽だという思いもあるかもしれないが、そもそもがリスクアンドリターン型のSWという代物が報酬インフレに悩むシステムで、他に冒険の動機を求めづらいという欠点がある。
 なので、SWをフリーセッション制で遊ぶ上ではSWはリスクアンドリターン型であるにも関わらず、リスクアンドリターンで遊ぶという大前提を考え直さなくてはならない。

報酬・経験点(リターン) は冒険(リスク) とは別物だ

 よく、報酬が少ないとPCよりもGMの方が申し訳ない気になってしまうことがあるようだが、他のGMさんの邪魔をしないためと思えばどうということはないし、PCにも長くリスクアンドリターンで楽しんでもらうためにはむしろ積極的に貧乏にさせてあげたほうがいいくらいだ。申し訳ないどころか胸を張ってもいいしPLからは感謝の言葉があってもいい。
 セッション内容と報酬・経験点は別物として考え、内容はどうあれ一定の報酬・経験点を受け取る(減らすのはかまわんと思う。リスクアンドリターンの構造が崩れないから) というのは長くSWで遊んできた人にはなかなか受け入れにくいと思うが、オンラインのフリーセッション制でSWを遊ぶにはこれくらいの意識転換がないと、GMごとの差異がPCの成長という形で後に尾を引く。引いてしまう。
 PCごとに理由をつけ(300を上回る報酬は寄付したとか捨てたとか落としたとか飲んだとか異次元に飲まれたとか)、報酬を積極的に規定ラインに収めるプレイが推奨されるかもしれない。

 繰り返すが、フリーセッション制では報酬や経験点という形でPCへのリターンを図るのは厳しいし、PLもそこにリターンを求める意識を改めないと厳しい。
 依頼人の少女からボーナスの花一輪でクールに立ち去るような、そういうプレイを目指してみてはどうだろう。

 PCの冒険の動機というゲームの大前提が、平等重視のフリーセッション制だとひっくり返ってしまうのがSWのもっともフリーセッション制に向いていない部分だと思うが、どうか。

 第四回はあるかどうかわかりまへん。
 とりあえず、SWとフリーセッション制の相性については言えることは言った感。

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コメント

3回読んでも要点つかめてるか自信無し

つねに、フリーセッションという環境である程度制限される報酬を、欲しいと思えるような状況にキャラを持っていくこと、がPLのスキルとしても求められることになるのでしょうか。

よくある事故の一つ、『受ける理由が無いなあ』という場面が生まれやすくなってしまうのが、GMがPLに与えるリターンのばらつきが生み出す弊害、でいいのかな。

上記のことを前提に話すなら、報酬や経験以外の動機付けが難しいなら報酬や経験の目標部分を大げさに定める、と言うのが一つになりますか。
ゲームバランスの関係で、経験点のほうは非推奨、お金もデータを強化するものは非推奨、になりそうですけど。

ここは一つ

誰とは言いませんけど、ドット絵師さんたちに小物をいっぱい描いてもらって、それを購入してジオラマ(僕の/私の)部屋を作成するようにしたらどうでしょう。

お金の使い方もキャラロールの一環になるのが一番いいとは思うんですけどね。煙草吸うキャラなら「スパー」2回で一箱消費。消費量を記録して百箱越えたら病気になって1セッション作ろうかな、とか。

ここはひとつ

ジョニーの交換用眉毛は100rkから用意しております、とかでいいでしょうか。

フリーセッションなら、所持金-10000から始まるのとかいいと思います。スタートは、銀の月エスポワール亭で、様々な依頼(限定ジャンケンで人食い熊退治等)をこなし借金を返していくとか。武器は、パチンコとかを借り受けて、戦います。スリリングですね。10000rk貯まったら、晴れて自由の身、カタギに戻れます。
今から、こういう風に変更とかしたら、適応できるPCが少なそうですけど。

それはそうと、ルールがフリーセッションに向いてるかどうかより、PLがフリーセッションに向いてるかどうかが重要に見えてきますね。毎度楽しく読ませていただいております、おつかれさまでした。

今回は反論なし!

今回は同意するしかないですね。

僕はフリーセッションで遊ぶにあたってMMOから学ぶところが大きいのではないかと思っています。
経験値・報酬が遊んだ時間に比例するというのが主な理由です。

しかし、MMOではそのお金の使い道がいくらでもあり、常に貧乏という状況を保ちやすいのに対し、SWを用いると、常に貧乏という状況を保てず、ゲームのモティベーションを刺激すること維持ができないというわけですね。

非常に納得の内容でした。

僕はPC同士の人間関係の発達をうまく取り入れてゲームにするといいんじゃないかなぁと思ってます。

ボク頑張ったらから報酬上げろ!とGMにせびってたあの頃を大いに悔やんでいるウーです。
ただただ誰よりも愛する我がPCに富あれと報酬を作っては注ぎ貰っては注ぎ。行き着いた先は、金の雨降るインフレ天国!
…はてこれからどうしようか、最高品質ミスリル魔法の武器でも買っちゃおうかしら、誰かが死んだときの蘇生費にでも充てようかしら。
「お前の気持ちを聞いてるんじゃない、お前のPCの気持ちはどうなんだ!?」て聞かれたとき、私はきっと答えることができないでしょう。ああ、私はそんなPCたちを抱えこれからどうすればいいんだぁー!
…じゃ、面倒臭いしとりあえず引退ね、ポンと。なんて。

ま、今回は頑張ったから報酬に色付けちゃう。今回だけね。え?前回もそうだったって?いいのいいの♪とインフレ促進大歓迎GMをしてたあの頃を大いに悔やんでいるウーで(以下略

れすだ

> BBさん

改めて読み返してみると日本語が踊ってるぜ > 俺
言いたいことはだいたいその通りです。
PLスキルに依存する部分が非常に大きいのだよなぁ、システムの縛りが少ない状態のフリセでSWやるのは。



> 偽さん

いい案ですね! でも特定の小物ばかり人気になるのは目に見えているというか。結局そうなるんだよな。
いろいろな自分縛りを入れている人は多いですけど、財政的に支障の無い範囲に納めてる場合がほとんどですね。それが悪いとかではありませんけど。印象に残り辛いというか。


> SIRさん

冒険者黙示録にするつもりか。
PLが向いてるかどうかってのは、とても大事なところですね。
それを考えたことのある人がどれだけいるだろう。そして自分から適応しようとしている人はどれだけいるんだろう。


> おざぶ

MMO的に遊ぶという意識を皆が持てばいんだけれどもなぁ。
人間関係の横の繋がりをうまいことシステム化できれば、遊びやすいガイドラインも作れそうなのだけど、もうそれは違うゲームになりそう。


> ウーさん

重い。軽く書いてるけど重いよ。
そこがまさしく問題になると思ってます。
誰もが通る道なのだろうけれども。

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白銀

Author:白銀
TRPGと付き合ってはや十数年。
まさか結婚相手までTRPG者とは、TRPGで遊び始めた頃の白銀少年は知る由も無かった。

ルールブックの範疇で好き勝手に遊ぶので、ご一緒の際はよろしくどうぞ。

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