ダイスの言うとおり

ダイスにはロマンがあるよな

不利は特別か

 不利な設定のお話。


・ケース1
「シティアドベンチャーで募集します」

「ケンタウロスで参加してもいいですか?」

「ケンタはちょっと… 屋内が多いと思うので


・ケース2
「このダークエルフめ。ペッ」

「(PLに戻って) そういうこと言われるの不愉快なんですけど。差別発言じゃないですか」

「(なんでダークエルフPCやってんだ……)」


・ケース3
「あーロープとか持ってませんね。冒険道具あんまり持ってないんで」

「なんで? 冒険者だったらそれくらい持ってるのが当然じゃないですか?」

「そうなんですかね?」


 不利な設定というのはいろいろある。
 ルール的な不利であったり、世界背景設定的な不利であったり、またはPC設定的な不利であったり。
 忘れがちなのは、こういう不利さもPCの特徴のひとつということだ。
 例えば例示のケンタウロス。ケンタウロスだから屋内では苦労する。そんなこたぁ当たり前だけど、ケンタウロスは屋内では弱体化するという特徴を与えられている種族であり、裏を返せば他の種族ではできない遊び方ができる種族ということになる。当然それを拒否するのはケンタウロスの選択肢をひとつ潰す。
 もちろんシナリオ的にどうしてもケンタウロスに参加して欲しくないとか、そういう理由があれば断るのはGMの権利だが、単に弱くなるからとか役に立たないからといって切るのはお門違いも甚だしい。弱さとか役立たずさを楽しむプレイだってあるわけだし、それを言下に否定するのは間違っている。そもそも遊戯会のコンセプトが「弱さを楽しむ」 だし。忘れてたりそもそも知らなかったって人は700回唱えよう。
 ただし、ルール的な不利設定とルールを超越した不利設定は別物。
 例えば「飛ばないフェンラン」 というのは自分に課した不利設定だが、「飛べないフェンラン」 はフェンランは飛行可能というルールを超越してしまうので、不利だろうがなんだろうがルール破り。A特典を使えA特典を。
 フェンランは「飛べる種族」 というより「飛ぶこともある種族」 だが、「飛べない」 のは全く話が違ってくる。暗視のないドワーフとか呪文を使うクラケと同じ類だ。「できないことができる」 と「できることができない」 は特殊性という点で同じことだと認識したい。A特典ってものがあるんだから使えばいいだけだけれども。


 ダークエルフの例にも挙げた、世界設定的な不利については、その世界で何ができるのか、何がどういう扱いなのか、をしっかり把握しておかなくてはならない。
 ダークエルフは迫害されていると種族設定に書いてある以上、心無い台詞が投げつけられることもある。固定面子の仲良しパーティーではないのだし。というか投げつけられたら迫害されている設定を活かす大チャンス到来と大喜びしていいところだが。
 他にも、ソーサラーは兵器扱いという設定(国境を越えるときに記録されるので面倒) とか、眼帯キャラが極めて存在しにくい(失明はとってもお安く治る。わずか240。眼帯買うくらいなら神殿に行けという世界。特にトロウなど大都市では) など、意外な不利設定や不利設定なつもりが不利になっていなかったりする。
 こういう点の把握を忘れると勘違いした発言をしたり首を傾げられるキャラになったりするので、世界設定の把握はしっかりやっておきたい。


 PC設定的な不利はルール破りでないかどうかがまず問題になるが、ポリシーとして道具を持たないとか刃物持たないとかファイターだけど飛び道具しか使わんとか幾らでも考えられる。
 ここで常識とやらを振りかざして非難するのは簡単だが、キャラプレイに重きをおくならここは尊重するところ。逆にファイターなら前に出て当然でしょ、そういうクラスなんだし、という古典主義の意見もあるので、そういうポリシーを持つPCは参加するときにお伺いを立てるのがスジだろう。GMが認めれば周りがとやかく言うことではない。

 古典主義でひとつ補足すると、キャラが毎回同じになってしまうというトラップがある。
 ファイターは状況に応じて有利さを追求した複数の武器を持って使い分け、シーフは抜け目無く立ち回り、山のように道具を持っており、ルーンマスターは何があっても決して後衛から動かず、使い魔は黒猫か梟(有利だから)
 別にこれが悪いとは言わないが、たくさんPCを持っていながらいっつもいっつもいっつもいっつもこういうPCを作る人はガキガキに思考が固まってることが多いので、自分と異なるプレイスタイルの人を見かけたら文句を付ける前に少し我が身を振り返ってみたい。
 抜け目ないシーフなんて掃いて捨てるほどいるわけだし、抜けているシーフがいたっていい。そんな奴にパーティの命運を託せるか! と言いたくなるかもしれないが、それでも託せるのが遊戯会だし。逆に抜け目ないつもりで抜けた行動をしてしまう恐怖に比べればなんてことないと思うが。


 不利さは特別な設定だと考えがちで、その分ルールに合致しているかどうかの部分を見落とすことが多い。もちろん不利なのは特別でもなんでもなく、平均より上に飛び出しているか下に飛び出しているかの違いでしかないので、有利さと不利さはルール上等価になる。
 PCは有利さを追求するのが当然という風潮は個人的には好きではない。数字が高いほうがいろいろできるという考え方も違うと思う。不利でも数字が低くてもいろいろできる。単に成功率が高いか低いかの違いだけで。

判定に成功する=セッションが面白い

 ではないことを心に留め置きたい。
 判定に失敗するのが怖くてたまらないという人は、そもそもゲームをやるんだ、という意識を忘れがちなのではないだろうか。
 TRPGは判定に成功して戦闘(なりなんなり) に勝つことが目的ではない。しかし、勝敗の無いゲームとも言われているが、楽しめれば勝ちだと個人的には考えている。
 もちろん判定に成功して戦闘に勝利して目的を達成した方が楽しめるんだという人もいるだろうが、失敗も含めてその過程を全て楽しめればもっといいに決まっている。成功時以外も楽しいわけだから。

 何もかも成功するようにお膳立てされたセッションが楽しいですか?
 失敗はGMに救済してもらったほうが楽しいですか?

 有利不利にこだわる以前に、どうやったら楽しくなるか、を考えてみるのも悪くない。それも、どうやったら全部楽しめるか、という方向で。

« 目次|Top|フリーセッション制とソードワールド その2 »

コメント

不利がもたらすもの

弱さを楽しむ、演出することを楽しむ、ということでうちには何人かそういうのが居たと思います。
判定を要求されると嬉々として「出目9以上か~w」とか言いながら振ってますよ。

それでも、それを一つのスタイルとして受け入れてもらえてる環境ですと、周りがフォローに動いてくれ、さらに危機に見舞われている仲間を助ける、という演出を楽しむチャンスとしてくれているのですな。

個人的には、全員がスマートに危険を避けるのもいいけど、危険に捕らわれた仲間を助けるべくあれこれやって、それを演出する方がずいぶんロールが楽しいかなー、と。
ちゃんとトラブルを解決できた場合、ですがw

出目9以上か~w(嬉々としてダイスを振る)
例えば、判定に失敗するとラブラブになっちゃう薬飲んで、クールに正気を保ちつつ失敗者を冷めた目で見るのと、はしたなくフィーバーしちゃうの。どっちが楽しめるだろうと考えると、どっちも楽しめそうですよね。
強かろうが弱かろうが有利だろうが不利だろうが、楽しめる余地の無い設定は無いと思います。私の知る限りでは。
強さには強さの楽しみ、弱さには弱さの楽しみがあるから、そういった好みでキャラの傾向が偏るのもいろんなバリエーションでやるのも、楽しみを求める上ではいいことですよね。
ただ、あの弱さこの強さじゃないと楽しめない、こういう特徴はやり辛いからポイしたい、そういうこと言いだしちゃうと負けですかね。
嫌な部分も含めて楽しむって、心の狭い私にはなかなか難しいのですがw

れすだ

> BBさん

他の人の活躍を引き出すための弱さなのだ! ってのはいいなぁ。
活躍してみたいし、活躍させてみたいですw
毎回スマートばかりだと飽きますしね。
毎回マクガイバーだと楽しめるんだけど。


> ウーさん

どうしても××になってしまう、ってタイプは見てて少し残念かなと思ってしまいます。まだまだいろいろな遊び方、楽しみ方があるのに。
「○○をやるには高ステじゃなきゃ~」とか、なんでステが関係あんのかと。どうせどんなステでもやりたいことは同じだろうと。高ステの方が成功しやすいですけど、失敗しないわけでもないのにね。
弱さも逆方向に突出しているだけだから、極まると同じですね。

「屋内で階段? そうか、なら逆立ちして行きますよ!」
ケンタウロスでなければ逆に変態にしか思われない行動ですね。我ながら相当イカレたロールでした。
不利だろうと有利だろうと、種族特有の楽しみ方があります。
ダークエルフで被差別ロールもやってみたいですね。

えーと

> ケンタウロスでなければ

ケンタウロスでもイカれてると思った私が間違っているのかどうかw
異種族のキャラは異種族ならではの楽しみ方があるし、周りもそれを理解したいですね。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://silverwolf5218.blog55.fc2.com/tb.php/204-169ebf68

Top

HOME

白銀

Author:白銀
TRPGと付き合ってはや十数年。
まさか結婚相手までTRPG者とは、TRPGで遊び始めた頃の白銀少年は知る由も無かった。

ルールブックの範疇で好き勝手に遊ぶので、ご一緒の際はよろしくどうぞ。

名前:


本文: